Vol.01
SPECIAL CONTENTS
ペン画では表現できない
澄みきった世界を生み出す。
切り絵作家 碧輝 うろこさん
Uroko Aoki
透徹したラインが生み出す、
モノクロームの極み
蝶、魚、日常の風景をモチーフに、切り絵とは思えないほどの細密な描写と柔らかな線で表現されている碧輝うろこさん。
その作品は、ペン画には出せないキレの良さと存在感、モノクロームの美しさの奥に、碧輝さんが持つ自然や日常に対する深い愛情を感じさせてくれます。
エヌティーのDS-800Pで作品制作をされているということで、お話を伺ってきました。
Ⅰ× PERSON
切り絵を始められたきっかけは?
以前は水彩や油彩など筆で絵を描いていましたが、コントラストの強いモノクロの世界に惹かれ、ペン画を描くようになりました。
でもペン画は紙やインクによって、描いた線がどうしてもにじんでコントラストがぼやけてしまうんです。
そんな時に思いたったのが切り絵。紙を切ってしまうので、にじみのないくっきりとした線が描けるのではないかと考えたのがきっかけです。
切り絵の技法は、言わばモノクロの究極を追い求めてたどり着いた表現手段ですね。
より繊細な作業のために。
刃の切れ味が生きる、
研ぎ澄まされたフォルム。
Ⅱ× COMFORT
DS-800Pのどんなところが良いですか?
小回りが利くことですね。切り絵を始めて半年後に購入してからずっと使っています。紙を切っているとナイフを持つ手が邪魔になってくるのですが、これは軸が細くてコンパクトに持てるので、自分の手が邪魔にならず思い通りの線を描くことができます。刃の差込口がコンパクトな分、刃の近くを持てるのも扱いやすくて気に入っています。
DS-800Pは薄い紙を切るのに向いていて、和紙も切りやすいです。僕が切り絵の講座を開くときは、いつも生徒さんにこれを使うようおススメしているんです。
刃の使い心地はいかがですか?
新しい刃の使いはじめの、一番切れ味が良い状態のことを僕は「おいしいところ」と呼んでいるんですが、エヌティーの刃は「おいしいところ」の状態が長持ちしますね。
それでも紙を切ってしばらくするとどうしてもザラザラした感触が出てきます。そのまま使用して刃が意図しない方向に滑ったら怖いので、切れ味がザラつきはじめたら刃を替えるようにしています。
Ⅲ× TRY OUT
繊細な作品づくりのために刃をこまめに交換されている碧輝さんに、
スペシャルブレードの超硬刃「BSB-13P」を試していただきました。
(切りはじめの)スタートから違いますね!素直に走るというか、従来刃よりもっと滑らかに切れます。私の切り絵は紙の裏に下書きをして、裏面を上にして切るので、仕上がった作品の断面は通常は僅かに隆起してしまうんです。BSB-13Pは断面が隆起せずによりキレイに仕上がりますね。
刃も刃の背の部分も全面磨いてあるのでキラっと光るし…テンション上がっちゃいますね!
↑ 通常刃で切った紙
(切り口がわずかに隆起している)
↑ 超硬刃で切った紙
(切り口がフラットに仕上がっている)
碧輝うろこ uroko aoki
1991年 大阪生まれ。
2010年より独学で切り絵を始める。
個展、公募展や百貨店での催事等での展示活動のみならず、切り絵の更なる普及を目指し各所で精力的に講師活動も行っている。
現在は自身の運営するギャラリー「Atelier cypris」を中心に活動中。